ここではPythonを使ったロギングの環境設定(config)について見ていこうと思います。
ロギングは3種類の方法で設定することができます。
まず、設定メソッドを呼び出すPythonコードを明示的に使って、ロガー、ハンドラ、フォーマッタを生成する方法で、これまでにすでにやってきた方法です。
残りの2つは、ロギングの設定ファイルを作り、それをfileConfig()関数を使って読み込む方法と、設定情報を辞書型で記述し、それをdictConfig()関数に渡す方法があります。
ここではこのfileConfig()とdictConfig()を使った方法を見ていきましょう。
fileConfig()でiniファイルを読み込む
ロギングの設定ファイルを作り、それをfileConfig()関数を使って読み込む方法から見ていきましょう。
まず、メインの処理を行うコードを次のように書いてみます。ここでのファイル名はlogging_lesson.pyとしています。
import logging.config
logging.config.fileConfig('logging.ini')
logger = logging.getLogger(__name__)
logger.debug('debug message')
logger.info('info message')
logger.warning('warning message')
logger.error('error message')
logger.critical('critical message')
これまでのログ出力のコードとほぼ同じようなコードです。
違うところはlogging.confgをインポートしているところと、fileConfig()でlogging.iniファイルを読み込んでいるところです。
ここでfileConfig()で読み込むlogging.iniファイルを作って設定を記述してみます。ここでは公式ドキュメントにある設定を利用しています。
[loggers]
keys=root,simpleExample
[handlers]
keys=consoleHandler
[formatters]
keys=simpleFormatter
[logger_root]
level=WARNING
handlers=consoleHandler
[logger_simpleExample]
level=DEBUG
handlers=consoleHandler
qualname=simpleExample
propagate=0
[handler_consoleHandler]
class=StreamHandler
level=DEBUG
formatter=simpleFormatter
args=(sys.stdout,)
[formatter_simpleFormatter]
format=%(asctime)s - %(name)s - %(levelname)s - %(message)s
このファイルと同じ作業ディレクトリに保存して、ターミナルで実行してみます。
logging.iniの最終行で記述しているフォーマットで結果が表示されます。
logging.iniの部分のコード表示は、スペースの都合で途中までになっていますが、結果はWARNINGまでの表示となっています。これは、logging.iniの[logger_root]をlevel=WARNINGと指定し、メインのコードはgetLogger(__name__)としているからです。
ここで、logging.iniの[logger_simpleExample]がlevel=DEBUGとなっているので、メインのコードをgetLogger(simpleExample)にしてみます。
import logging.config
logging.config.fileConfig('logging.ini')
logger = logging.getLogger('simpleExample')
logger.debug('debug message')
logger.info('info message')
logger.warning('warning message')
logger.error('error message')
logger.critical('critical message')
実行するとこうなります。
結果がDEBUGまで表示されているのがわかります。
dictConfig()に辞書型データの設定を渡す
設定情報を辞書型で記述し、dictConfig()関数に渡す方法を見ていきます。
上記のlogging.iniに記述していた設定情報をdict型で記述し、dictConfig()に次のように渡します。
import logging.config
logging.config.dictConfig({
'version': 1,
'formatters': {
'simpleFormatter': {
'format': '%(asctime)s - %(name)s - %(levelname)s - %(message)s'
}
},
'handlers': {
'consoleHandler': {
'class': 'logging.StreamHandler',
'formatter': 'simpleFormatter',
'level': logging.DEBUG
}
},
'root': {
'handlers': ['consoleHandler'],
'level': logging.WARNING
},
'loggers': {
'simpleExample': {
'handlers': ['consoleHandler'],
'level': logging.DEBUG,
'propagate': 0
}
}
})
logger = logging.getLogger('simpleExample')
logger.debug('debug message')
logger.info('info message')
logger.warning('warning message')
logger.error('error message')
logger.critical('critical message')
実行するとこうなります。
DEBUGまで表示されているのがわかります。
logging.iniファイルで設定するよりも、このdictConfig()で記述した設定ファイルを使って開発することが多いそうです。
まとめ
ここではPythonを使ったロギングの環境設定(config)について扱いました。
ロギングの設定には、既に別のところで扱ったように、設定メソッドを呼び出すPythonコードを明示的に使って、ロガー、ハンドラ、フォーマッタを生成してきましたが、ここでは、ロギングの設定ファイルを作ってfileConfig()関数を使って読み込む方法と、設定情報を辞書型で記述し、それをdictConfig()関数に渡す方法を見てきました。
fileConfig()を使ってlogging.iniファイルなどを利用するよりも、dictConfig()で記述した設定ファイルを使って開発する場面が多いようなので、このあたりも念頭に置いておくと良いでしょう。